自己紹介と仕事

逆卷しとね 学術運動家/野良研究者(ダナ・ハラウェイと共生論・コレクティヴ論)。異分野遭遇/市民参加型学術イベント「文芸共和国の会」企画・運営。トークイベント企画、読書会主宰など。★ウェブ媒体※連載「ウゾウムゾウのためのインフラ論」→https://w…

読了リスト(2018)

読了: 『美術手帖』バイオアート 『美術手帖』キーワード 『クトゥルー神話全書』 『Weird Realism』 『クトゥルーの呼び声』 『モノたちの宇宙』 『H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って』 『四方対象』 『具体性の哲学』 『ユリイカ 二月号 クトゥル…

読了リスト(2017)

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ポー文学総覧

ディズマル・スワンプのアメリカン・ルネサンス ―ポーとダークキャノン作者: 伊藤詔子出版社/メーカー: 音羽書房鶴見書店発売日: 2017/05/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る ご恵投賜った伊藤紹子『ディズマル・スワンプのアメリカン・ル…

佐藤啓介『死者と苦しみの宗教哲学』

死者と苦しみの宗教哲学―宗教哲学の現代的可能性 (南山大学学術叢書)作者: 佐藤啓介出版社/メーカー: 晃洋書房発売日: 2017/04/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 宗教哲学とはなんだろう。宗教のありようについて原理的・理性的に思考す…

『触れることのモダニティ』

触れることのモダニティ ロレンス、スティーグリッツ、ベンヤミン、メルロ=ポンティ作者: 高村峰生出版社/メーカー: 以文社発売日: 2017/03/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 哲学者と小説家の名前が並ぶタイトルを見かける機会は日本で…

ジョイスの迷宮

ジョイスの迷宮(ラビリンス): 『若き日の芸術家の肖像』に嵌る方法 (ジャパニーズ・ジェイムズ・ジョイス・スタディーズ)作者: 金井嘉彦,道木一弘出版社/メーカー: 言叢社発売日: 2016/12/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る わたしはジョ…

読了本(2016)

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幻想と怪奇の英文学その2

久しぶりにこちらに書く。これから時々はこちらに書いてみようかと思う。幻想と怪奇の英文学II: 増殖進化編作者: 東雅夫,下楠昌哉出版社/メーカー: 春風社発売日: 2016/08/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る さて、今年の夏に執筆者のひとりから…

読了リスト(2015)

以下、リスト

編集文献学

テクストとは何か:編集文献学入門作者: 明星聖子,納富信留出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2015/10/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る明星聖子+納富信留編『テクストとは何か: 編集文献学入門』。単一の作者や決定版、作者の…

フュリオサの憂鬱

マッドマックス 怒りのデス・ロード 3D&2Dブルーレイセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント発売日: 2015/10/21メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (11件) を見る帰り…

想起の文化

思想 2015年 08 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/07/28メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る目次→http://www.iwanami.co.jp/shiso/帰省中に岩波の『思想八月号 想起の文化特集』を通読した。収録論文の概要は以下の通り。 記…

砂川判決とは何か

磯崎陽輔総理補佐官HP「憲法解釈変更の4つのキーワード」(7/19) http://isozaki-office.jp/ について論じてみたいと思う。適宜、砂川判決全文→http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPUS/19591216.O1J.html も参照されたい。なおわたし…

孤児列車作者: クリスティナ・ベイカー・クライン,田栗美奈子出版社/メーカー: 作品社発売日: 2015/03/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見るクライン『孤児列車』。一九世紀中庸から一九三〇年代ぐらいまで行われていた、都会の孤児を田舎の…

ニュー・マテリアリズムは週末に

現代思想 2015年6月号 特集=新しい唯物論作者: 磯崎新,藤原辰史,篠原雅武,北野圭介,Q・メイヤスー,M・デランダ,E・サッカー,A・ギャロウェイ,藤本一勇,江川隆男出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/05/27メディア: ムックこの商品を含むブログ (3件) を…

鑑別診断とあなたらしさを生きること

人はみな妄想する -ジャック・ラカンと鑑別診断の思想-作者: 松本卓也出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/04/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る ラカンのわかりにくさを、度重なるラカン自身による精神分析のアップデートに求め、その…

スーザン・ソンタグ書評 「シモーヌ・ヴェイユ」

原文→http://www.nybooks.com/articles/archives/1963/feb/01/simone-weil/ Simone Weil Susan Sontag February 1, 1963 Issue Selected Essays by Simone Weil, translated by Richard Rees Oxford University Press, $7.00 我らがリベラル・ブルジョワ文明…

ドイツのロマン主義について頭の中を整理

十八世紀後半、啓蒙主義に対する反動としてゲーテを頭目とする「シュトルム‐ウント‐ドラング」が起こる。もともと啓蒙主義も一枚岩ではなく、感性を重視する傾向もあったのだけど、この感性はあくまでも理性の管轄下にあった。すると感性的表現は型にはまり…

「タイプ」を書く音、タイプライターの打鍵音

つぐない [Blu-ray]出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル発売日: 2012/04/13メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (3件) を見る 奇しくもイギリス映画『つぐない』(Atonement)を最近見たところだった。ようやく結ばれたばかりの男女が、嫉妬と性に対…

読了リスト(2014)

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国語というアポリアのなかで思考すること

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本購入: 169人 クリック: 12,657回この商品を含むブログ (459件) を見る とは、に完璧に置き換えられるものから、としてそこへ絶対に戻ってい…

『文学理論をひらく』

文学理論をひらく作者: 木谷厳,小川公代,生駒久美,霜鳥慶邦,高村峰生出版社/メーカー: 北樹出版発売日: 2014/10/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 共著者のおひとりから御恵投いただく。ツイッターやっててよかったと思う瞬間。 読みも…

生き物のサイエンス

現代思想 2014年8月号 特集=科学者 -科学技術のポリティカルエコノミー-作者: 小柴昌俊,中村桂子,佐藤文隆,野家啓一,塚原東吾,美馬達哉,金森修,近藤和敬,榎木英介,粥川準二出版社/メーカー: 青土社発売日: 2014/07/28メディア: ムックこの商品を含むブログ (…

スラヴォイ・ジジェク「猿と人間について:レーニンの啓蒙」

Slavoj Ziezek. Of Apes and Men: Lenin’s Enlightenment. The Symptom. 2011. (English).原文: http://www.egs.edu/faculty/slavoj-zizek/articles/of-apes-and-men-lenin/ 今日もう一度見直されてしかるべきレーニンの遺産、それは真実の政治学である。わ…

英文学と大衆小説の公分母

幻想と怪奇の英文学作者: 東雅夫,下楠昌哉出版社/メーカー: 春風社発売日: 2014/04/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 御恵投深謝。 E・M・フォースターが、ストーリーとプロットの作法について論じたかの有名な文章で「ミステリー」につ…

越境するアメリカの女たち

越境する女―19世紀アメリカ女性作家たちの挑戦作者: 倉橋洋子,城戸光世,辻祥子出版社/メーカー: 開文社出版発売日: 2014/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 御恵投いただいた論文集をひとつ。 『越境する女』は、十九世紀アメリカ文学の…

からだに自由はあるのか

女のからだ――フェミニズム以後 (岩波新書)作者: 荻野美穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/03/21メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る 思想史や概念史ではなく、身体の所有権をめぐる運動・アクティヴィズムの現代史。 世界中で翻訳・翻…

スラヴォイ・ジジェク 「詩に歌われる言語の折檻所ーーいかにして詩は民族浄化と関係するのか」

原文→http://www.poetryfoundation.org/poetrymagazine/article/247352 "The Poetic Torture-House of Language: How poetry relates to ethnic cleansing" by Slavoj Žižek Originally Published: March 3, 2014 プラトンの評判には傷がついている。詩人ど…

 トリン・ミンハ『ここのなかの何処かへ』

ここのなかの何処かへ: 移住・難民・境界的出来事作者: トリン・T.ミンハ,Trinh T. Minh‐ha,小林富久子出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2014/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 音感に優れた人が読むべき本だと思うし、戦略的な吃音や…