2011-01-01から1年間の記事一覧

 断章、dis-aster、形式

The Writing of the Disaster: L'Ecriture Du Desastre作者: Maurice Blanchot,Ann Smock出版社/メーカー: Univ of Nebraska Pr発売日: 1995/05/01メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る http://sankei.jp.msn.com/life/…

蕎麦は食う

光陰矢の如し、なんだかんだで今年も終わってしまう。5年前に倫敦に行ったような気がするし、5分前にエアロスミスのライヴに行ったような気がする。 今年もたくさんの素晴らしい本に巡り会えた、と、振り返るのはまだ早かった。年賀状を書いてなかった。めん…

読了リスト(2011)

リスト

 本をめぐる遊歩(その1)

書物の敵 (講談社学術文庫)作者: 庄司浅水出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/05メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る本棚の歴史作者: ヘンリーペトロスキー,Henry Petroski,池田栄一出版社/メーカー: 白水社発売日: 2004/01メディ…

思案投げ首

クリスマスって、世間はしっかり楽しんでいるだろうか。我が家ではケーキを食べる口実でしかない。 そんなくだらないことで首を傾げると首が痛い。骨もおかしいような気もするが、それは木の精、水の精ということにして、眼精疲労からくる首こりだと盲信する…

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とある学会のシンポジウムでの一場面。 あるせっかちな女性は遅刻してしまった。シンポジウムは盛況で会場にはすでに人がたくさん、おまけに司会者は緒言を切り出したところだった。彼女は、座る場所を探しまごついていた。こういう状況で目立つまいと肩肘張…

 ヴァレリー

ヴァレリー・セレクション (上) (平凡社ライブラリー (528))作者: ポール・ヴァレリー,東宏治,松田浩則出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/02/01メディア: 新書購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (27件) を見る 人間の精神はその追求するもの…

穴を掘って少し叫ぶ

師走ももうすぐ終わり。 わたしの仕事の一部が多忙を極める。いや、年中のような気もする。 もうね、同僚なんてみんな赤ん坊だと思えばいい。そうじゃないとやってられないでしょ。ちゃんとした大人なんてほとんどいないんだから、あなたを含めて。 たぶん、…

防御は最大の攻撃

ゴールキーパー論 (講談社現代新書)作者: 増島みどり出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/02メディア: 新書 クリック: 10回この商品を含むブログ (11件) を見る ゴールキーパーが目立つチームはだいたいにおいて劣勢に立たされている。守備も攻撃もうまくい…

 狂ったポーターたちのハカリゴト

ポータブル文学小史作者: エンリーケ・ビラ=マタス,木村榮一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/02/15メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (22件) を見る 地獄の時間としての「現代」(モデルネ)。この地獄の懲罰とは、いつでも…

コルセット

何年ぶりだろうか、一泊二日で実家に帰省した。といっても、一泊したのは青島の旅館で、翌日に出向いた実家での滞在時間は正味4時間ほど。 6時間にわたる手術を一週間前にしたとは思えないほど父は元気で、拍子抜けした。首に嵌めたコルセットもただの飾り…

蟻と糞

いつだったか、何年か前の秋に沖縄に行った。 とりわけなにをしたわけでもなく、貧乏なバカンスのようなものだった。 那覇の海は秋だというのにそら恐ろしいほど碧く、ふと泳げそうな錯覚に襲われる。砂浜は陽の照り返しを受けて白く輝いている。 季節と季節…

 letters

予告された殺人の記録 (新潮文庫)作者: G.ガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,野谷文昭出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/11/28メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 95回この商品を含むブログ (222件) を見る アメリカ小説はおろか、英語からも…

不自由

次の行はいつもまったく新しい一行。 なにかを書く上で、新しさは自由とはなんの関係もない。自由というのは、原生林や白紙のことではなく、動物園やあみだくじのこと。視野の制限や選択肢が予めあってこそ、人はその檻のなかで自由を感じる。 わたしにとっ…

 狂熱

自己分析 (ブルデュー・ライブラリー)作者: ピエール・ブルデュー,加藤晴久出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2011/01/19メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (14件) を見る ハビトゥス、ディスタンクシオン、シャン・・・。 フラ…

超ジャリ

かなり久しぶりにエアロスミスのライヴに行ってきた。いろんなところが痛い。 客層が広い。上は70ぐらい、下は中高生。男女比は半々ぐらい。視聴率調査とか世論調査に使えそうなハコの中身だった。 「ママキン」が締めだったと思うが、セットリストは→http…

家族、それから

最近、といってもここ2、3年のことについてときどき書いてみよう。 たとえば裁判の傍聴。2年くらい前だったか、地裁の、それも小悪党の案件ばかりを扱う簡易裁判を傍聴した。閑散とした傍聴席の前で、もの悲しい物語が繰り広げられた。 原付の窃盗、賽銭…

小春日和

11月も終わろうというのに春のような陽気。季節外れの小春日和。歩くと暑い。汗がにじんでくる。 引退後の山口百恵が一般人として暮らしはじめるときに、どんな名前にしたらよかったのか、ふたりで考えながら歩く。ゼロをひとつ足して千恵。山から川口。口…

 demo-cratic noise(s)

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: 新書購入: 14人 クリック: 581回この商品を含むブログ (164件) を見る 政治の話というと、だいたい新聞に書いてあるようなことしか言わない輩が多い…

寒暖

寒くなったかと思えば、また暖かくなり。長袖だったり、半袖だったり。こたつ出したのに、入らなかったり。わからないのは女心と秋の空、だけではないようだ。 寒暖の振れ幅が大きいと、極端に眠くなる。睡魔っていうのは本当に悪魔なんだと実感する。

 革砥とタイプライター

くそったれ!少年時代 (河出文庫)作者: チャールズブコウスキー,Charles Bukowski,中川五郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1999/12/01メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (41件) を見る わたしのまわりには、強い者ではなく弱い者、き…

代謝の馬鹿

一昨日と昨日、とにかく寝る。気圧のせいか、親父の病状のせいか、怠慢のせいか、よくわからない。眠たいときは寝るに限る。そのほうが全部うまくいく。 いつのまにか体重が70キロ近い。気圧のせいか、親父の病状のせいか、怠慢のせいか、よくわからない。…

世界は深い

ニーチェ全集〈9〉ツァラトゥストラ 上 (ちくま学芸文庫)作者: フリードリッヒニーチェ,Friedrich Nietzsche,吉沢伝三郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1993/06/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (11件) を見るニーチェ全集…

 ある日の倫敦

ナショナルギャラリーは教育機関なのだろうか。下手な絵画史一冊読むよりも、ここの布置連関を解釈していったほうがずっと刺激的。ざっくりしすぎているきらいはあるが、さすが博物学帝国、整理がうまい。 パターン化された神学的構図から神話・歴史と神学の…

 participant-critique、あるいはパーティ

『思想地図』第4号特集・想像力は、アーキテクチャーの問題系の表面を撫で回すに留まっており、肩透かしをくらった。次号をもって、北田暁広が責任編集から降りるようだし、なにより座談会や対談ばかりの寂しい誌面は、埋め草の枯れ具合ばかりを強調しており…

褪せた落書きたち

下書きに残っていた。掃き溜めに捨てることにする。

 ex-perience

健康ランドに行った。 大衆演劇の立て看板がふたつ、ギリシャ神殿みたいな円柱、でも明らかに天井の低さは築40年超、でも5階建てのビル、だからお年寄りのたまり場。四車線道路を挟んで向かいにはドンキホーテと吉野家。彼岸と此岸。もちろんこちらが彼岸。…

アルバート・アイラー

東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫)作者: 菊地成孔,大谷能生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/03/10メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 44回この商品を含むブログ (59件) を見る東京大学のアルバート・アイラー―東…

 無為の贈与

カルロス・テベスというサッカー選手がいる。 貧困が暴力を唆し、暴力がいっそうの貧困を煽る街。埃が舞い上がり石ころが散らばる田舎の路上でテベスはサッカーを覚えた。サッカーしかなかった。暴力の口車に乗らずに地に足をつけ生きるためにはボールを蹴る…

ネクローシス

1985年のクラッシュ・ギャルズ作者: 柳澤 健出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/09/13メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 108回この商品を含むブログ (40件) を見る 『1976年のアントニオ猪木』の著者による女子プロレス一代記。 読み進めるにつ…