海は広いな〜、大きいな〜

 東風西風に礼を尽くして地力で太平洋へと漕ぎ出すことに。8割方の人が非難する決断には違いないが、自分は呆れるくらい馬鹿正直なので、信念を曲げることがどうしてもできなかった。自分の力が多少なりでもあるなら、海は広く、必ずどこかで繋がっているので、インド洋から喜望峰周りになるか、あるいは南極あたりまで一度行くことになるかもしれないが、いずれ大西洋へもたどり着くだろう。この2日間、信じられないぐらいの力を使い、無い頭で一生懸命考えたが、他人に対してはどうであれ、自分に対しては誠実であれたと思う。一生記憶に残る激動の二日間だった。だが、これでスワンボートで太平洋に漕ぎ出したわけなので、もはや風の力は当てにはできない。途中で沈むかもしれないし、サメに食われるかもしれないが、いずれにしてももう後悔は無い。どうにかして、少なくとも日本まではなんとかたどり着きたい。