ローマ人の物語

 そのまんま東かあ。談合よりも淫行のほうが心配だ。
 二日酔いに苦しむ。昼過ぎに始動。ファミレスでD論チェックをやるつもりが、読書に嵌る。サラダバーとドリンクバーをお供に。

 

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

 イタリア行きの前に付け焼刃の必要性を感じ、購入。昨年完結したこのシリーズを全巻読むというわけにはいかないが、いくらかでも読んでおこう。
 歴史の起源を遡ると神話に行き着く。歴史ではカヴァーできない微細な穴を埋めるには、起源神話しかないからなのか。どちらにしても、真正な起源を知り得ない以上、神話は歴史と一体とならざるを得ない。
 トロイの生き残りがローマの神話的/歴史的起源となるとき、それはローマというひとつの政体が自律するために必要とする、対ギリシャという対他的な自己確認物語を滋養し、市民の矜持を醸成するために益したに違いない。ギリシャ文明の後勃興するローマ帝国自身が語る「新支配者の物語」としては実に良くできている、といっていい。そうした資料的偏差を滲ませながらも、ローマの魅力を前面に押し出す著者のイタリア大好き魂全開の筆致に、いやおうなく引き込まれていく。全巻読んでしまったらどうしよう、とか思いながら。