香港馬は強い!

 久しぶりに雨が降りそうな空模様。おかげで少々蒸し暑い。

 先日、修士論文の中間発表会が行われた。自分もかつて通った道だし、なんだか懐かしい気分になった。それぞれの完成度はまだまだ低いし、どういう結論になるかまだ見えないけれど、まだ残り三ヶ月。精一杯がんばってほしい。

 朝日新聞の問題が世間を賑わせている。主に、取材が不充分な事柄を記事にしてしまった点、つまり、メディアの信頼性と倫理観が問題になったわけだ。でも、問題は別のところにあると思う。インターネットが普及し、情報が氾濫する中で、未だに新聞が情報源として神聖視されているのではないか。ネット上の情報の方が信頼に足る、というわけではない。「何を読むか」という信仰が未だに見え隠れするのが問題なのだ。新聞を読むことと週刊誌を読むことの間に知的な意味での格差などもはやない。信頼するに足る知はそこにあるのではなく、それらをもとに一人一人が作り上げるものだからだ。新聞が正しい、NHKが正しいなどという議論は意味がない。「どれを読むのか」ではなく、「どう読むのか」、という読者の責任が問われてしかるべきだ。ブランド志向に縛られて大手のメディアの意見に引きずられている人間が多いし、テレビのニュースも新聞を読むだけになってしまっている現状で、読み手の責任を問うのは暴論かもしれないが、いいかげん作り手側に右往左往されるのもいかがなものか。

 スプリンターズSで秋のG1がスタートした。舶来の最強馬「サイレントウィットネス」対国内最強スプリンター「デュランダル」という図式だった。結果は舶来物の完勝。「デュランダル」もよく追い込んだが、いかんせんコースどりの差が大きい。それにしても、「サイレントウィットネス」は強い。17連勝の世界記録を作ったその力は、僅差屈した安田記念のレース振りからもすでに明らかだったが、スプリント能力はやはり相当高い。次走、マイルCSに出てくれば、距離の壁が再び懸念されるところだが、依然争覇圏内なのは間違いない。一方の「デュランダル」も蹄の不安で長期休養明けの割には、いつもどおりの剛脚を繰り出していたし、マイルCSでは最有力候補か。三着の「アドマイヤマックス」は、苦手とされた右回りを克服して追い込んできた。展開が向いたとはいえ、春のスプリント王の力は存分に発揮したといえるだろう。