歴史のなかのアメリカ

 読書、その他。昨晩、嫁帰宅。仕事とはいえ、かの国の文化や人情に触れる機会も存分にあったようでなにより。大量に持ち帰ったお土産用のキムチと海苔を眺めながら土産話を聞く。短期間ながらイラン人の男性と韓国人の女子学生と友人になれたようで、よっ、国際人、とおだてておく。
 M・シティvsアーセナルを見ながらの「ながら仕事」。土産の純米酒(43度)で眠っている神経に刺激を与えながら、と同時に起きている神経をおそらく眠らせながらの、いい加減なお仕事。ところで、アンリはまだまだ本調子には遠い。M・シティは結構いいチーム。またもやアーセナル足踏みか。
 
注目の近刊:

人文学と批評の使命―デモクラシーのために

人文学と批評の使命―デモクラシーのために

そういえば各所で宣伝されているが、どうもようやく『ブラック・アトランティック』の邦訳が出版される模様。まだアマゾンには出ていないが、要チェック。

 

書く気力がないのであまり書かないが、とても面白い論文集。 近年盛んなアメリカのナショナリズム研究の一種。トピックも戦時報道、メキシコ系、DAR、性病管理、沖縄、などなど結構分厚く内容も濃いのでかなりお腹一杯になれます。最近この手の良質な論文集が増えてきたような気がする。それはそうと、この論文集は故・辻内鏡人(まこと)氏が発起人となったプロジェクトだという。私は辻内の研究書を氏の遺稿を収録した『現代アメリカの政治文化―多文化主義とポストコロニアリズムの交錯』しか読んだことがないが、この本が日本におけるアメリカの多文化主義研究の論文や著書に頻繁に引用されているように、その影響力はかなり大きい。衒学に堕することない実直な整理に好感が持てる一冊だった。不幸にして急逝することになった氏の遺産は、こうして多少の時差と予期せぬ賦活を伴いながら澱のように積み重なり、次代の研究者によって更なる高みへと誘われていくのだろう。『歴史のなかのアメリカ』の端々にそんなことを痛切に感じた。
 辻内鏡人の事件に関しては→http://www.ne.jp/asahi/stnakano/welcome/TJ/TJtruth.html