プレミアリーグエヴァートンvsマンU(W杯イングランド優勝時のメンバー、アラン・ボール氏の追悼試合)。2−4。凄まじい試合。前半開始直後からエヴァートンが先手必勝とばかりに一気にマンUゴールに迫り、アルテタのFKで先制。しかしやがてエヴァートン優勢は、均衡状態になり、マンUの一方的な攻勢へと傾いていく。だが、前線に一、二枚を残して亀のように閉じこもるエヴァートン陣内深くまで切り込むことは容易ではなく、徐々に手詰まり感が漂う。
 後半、リチャードソンを入れて打開を図るマンU。ほとんど3バックのような変則の布陣で攻めるマンUだが、カウンター一閃、フェルナンデスがブラウンをフェイント一発で振り切り、右隅に強烈なシュートをぶち込む。2−0。あとがなくなったマンUはさらに攻勢を強めるも、寸でのところでエヴァートンも堪える。ところが、コーナーキックハイボールリチャード・ライトがボロリ、オシェイに決められてしまう。ここが勘所とみたファーガソンは、温存していたロナウドを投入、精神的圧力をかける。これがピタリと当たり、CKをロナウドがドンピシャヘッド、こぼれたボールをフィル・ネヴィルが自陣ゴールに蹴りこんでしまう。エヴァートンのミス2つで同点。これで帰趨は決した。エヴァートン守備陣のクリアミスをカットしたルーニーが一瞬の個人技でDFを抜き、DFの股間とキーパーのわずかな隙を捉え、ゴール。ロスタイムには、プレミアデビューのクリス・イーグルスルーニーのスルーパスを受け、絶妙な間合いで右隅に蹴りこむ。
 エヴァートンは理想的な展開に持ち込むも、マンUの底力に屈した。エヴァートンがやや自滅気味だったとはいえ、ルーニーの好調ぶりはいかんともし難い。攻撃の起点ともなるし、自分で決めることもできる。しかも、全てのプレーをトップスピードを維持したままやるのだから手が付けられない。もっとも、守備陣はかなり不安。一試合に何度かポカをやる。はてさてミラン戦はどうなるか。
 ところでチェルシーボルトンと引き分けたようなので、これでプレミアの覇権はマンUの手に渡ることがほぼ確定したのではないか。残り3試合で勝ち点5の差。得失点差の開きを考慮すると、マンUが2試合負けないとチェルシー逆転の目はない。スタンフォードブリッジでの直接対決が残っているのが、僅かな光明か。できれば、逆転の可能性を残した上での両者の死闘を観戦したい。