U−20 スペインvsチェコ

 1−1 (PK 3−4)。おそらくサイド攻撃を得意とするスペインに対して、チェコはボールを保持しているサイドの選手に対して常にダブルチームで臨む。対するスペインもチェコお得意のカウンターを警戒してか、サイドバックの攻撃参加は控え気味。互いに互いの長所を消しあい、チャンスを作れないまま時間だけが過ぎていく。総じてスペインがボールを支配し、ややチェコのディフェンスが疲れてスペースが生まれ始めた後半には、稀に決定的なチャンスが訪れるも、バーやポストに嫌われる。すると、延長前半に、チェコの誰か(?)がCKのこぼれ球を豪快に蹴りこんで先制。あとがなくなったスペインは、CBピケ(マンU)を前線に残して攻勢に出る。足元の技術に長けていて、スピードがあって、狭いスペースでも仕事ができるビジャのようなタイプばかりのスペインの前線に、体を張れる潰れ役の選手が加わったことで、アクセントが生まれ、徐々にスペインがチェコディフェンスをこじ開ける場面が増えてくる。延長後半、ミドルシュートのこぼれ球に反応したマタがゴール。そのままPK戦へ。PK戦では、日本戦でも大活躍したチェコのGKペトルが素晴らしい読みで2本ストップ。止めることのできなかったシュートもことごとく手に当てていた。
 スペインは左サイドを主戦場とするロペスを起点に最後まで攻勢を保ったものの、決定機を逃し続けた。バーやポストに嫌われるというのは運なのでしょうがない。サイドのスペースを消されて、展開の起点(と思われる)ハビ・ガルシアによるサイドのスペースへのロングボールもほとんど見られず。テクニックに優れた選手が多く、欧州チャンピオンの称号に相応しい好チームだった。対するチェコは、変わらず堅守速攻。より強固さが増した印象で、ミスらしいミスもほとんどなかった。攻め手のなさに苦労したものの、前線の高さは脅威。セットプレーやアーリークロスで少ない人数であっても十分に勝負できるので、スペクタクルには欠けるが、効率的。