The Getaway

 もろもろ。さんま。
 その名も「東国原」という名の焼酎を飲む。まろやか。


ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD]

ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD]

 スカパーで。http://en.wikipedia.org/wiki/The_Getaway_(1972_film)。1972年。マックイーン主演。
 組織のボスの計らいで釈放されたドク。組織の命を受けて、数人の仲間や妻キャロルと共に銀行強盗に。無事50万ドルを奪うも仲違い、組織から追われる身となる。マッコイ夫妻の逃避行と並行して、彼らを追う強盗仲間のルディの追走がサブプロット。ルディが医師夫妻を脅してメキシコまで無理やり同行させる中途、次第にストックホルム症候群なのか、医師の妻はルディになびき、耐えかねた医師は首を括る。マッコイ夫妻は、途中、メキシコ行き列車に乗る前に、50万ドル入りのカバンを紛失。なんとかしてカバンをくすねた男を追い詰め、取り返す。最終的に米墨国境地帯近くのホテルで、追ってきた組織とマッコイ夫妻の銃撃戦。組織の追っ手を返り討ちにした後、待ち伏せしていたルディを仕留め、カージャックした上でマッコイ夫妻はメキシコへと旅立っていく。
 服役中のドクの心境は、細切れの映像を繋ぐ形で示され、作業で使う機械の音が響き渡る。カウボーイハットをかぶった刑務官とそれに従って機械的に働かされる囚人たち。釈放されるや機械音は消える。カウボーイvsお尋ね者という構図は、全編を通して引き継がれ、カウボーイハットをかぶった保安官や市民、そして組織の連中と、いずれもお尋ね者マッコイ夫妻の敵として描かれている。西部劇を変奏した感じ。ただし、最後に出てくる初老のカウボーイは、警察を毛嫌いしており、マッコイ夫妻と同じ目線に立つ人物として描かれている。
 メインのお話は、マッコイ夫妻の夫婦関係。お互いを信頼しきれない不安定な関係が、メキシコに近づくにつれ、改善に向かう。国境を越えるためにカージャックした車を運転していた初老のカウボーイが夫婦の美徳をとくあたりが、このプロットのクライマックスか。サブプロットに出てくる医師夫婦の破滅ぶりと対照的。法を侵犯するお尋ねものたちの生き方を通して、不文律としての性道徳というか家族愛というか、そういう正統的な道徳を説くような内容になっている。たくさんの「カウボーイ」たちが彼らに法に従うことを強制する権力として描かれる一方で、最後に出てくるカウボーイは、法ではなく道徳の正しさを保証する存在として描かれているような気がした。無法者が夫婦愛(家族愛)へと落ち着いていくしていくあたりに、家族が崩れていく時代の危機意識、そして道徳こそが法を担保する、というようなお説教くささを感じたのは、私がモラルを欠いているからなのか、どうなのか。