分かりやす過ぎてちょっと怖いフロイトの精神分析

 もろもろ。飲茶+ブリの照り焼き。
 更新が滞るかもしれませんが、多分元気です。

 

 うん、凄いよくわかる。精神分析以前やフロイト以後の展開、日本での進展など、様々な文脈に精神分析を置いて書いてあるので、ど忘れ気味の私にはちょうどよい。ところどころについているイラストもよい。エス・自我・超自我の関係とか、よくできているのでは。もちろん、一線で活躍する著者なので、よくできたフロイトの教科書をただ書いているわけではなく、精神分析が置かれた現状も批判的に分析し、今後の方向性を提示したりもしている。精神分析(治療)はいつ終わるのか、とかニューロサイエンスや臨床心理に押され気味の状況をどう考えるかとか。さしずめ、投薬治療や遺伝子治療が携帯電話なら精神分析は電話ボックス。社会をまわすためにとりあえず症状を抑える先端医療の速さや手軽さが必要なのと同じく、症候としての転移をどう考えるのか、というゆっくりした重い考察も、芸能界における藤原紀香のポジションと同じくらい不鮮明な世の中だからこそ大事だと思います。良書。