ウェストサイド物語

 次期自治委員のお願いに古株の住人宅にうかがったら、まるで何かのくじ引きでたまたま当選したありがたい権利を辞退するかのように、「そういうのは遠慮させていただいているんですが」と返ってきた。これまでここの住人は一枚岩だと思ってきたが、そうでもないらしい。うーむ、やろうと思えば断れるんだな、これって。断れないけど。
 
 

 61年。スカパーにて。タモリではないけど、ミュージカル仕立てってなんとなく苦手。『ロミオとジュリエット』を下敷きに、旧移民と新移民(プエルトリカン)の軋轢、そして許されぬ男女の悲恋を描く。単にマンハッタンのウェストサイドを舞台にしているというだけではなく、普遍的な移民の格闘をアメリカの成長の力学を支えるフロンティアとして、象徴的な「西」として解するのが優等生的な正答なのだろう。プエルトリコ人表象としても、欠かすことのできない古典なのだろうけど、しかし、やっぱりなんかしっくり来ないなあ、ミュージカル。