仕入れと買出しのはざまで
ゴールデンウィークは長府や唐戸市場のあたりで遊んでくることにする。あそこの回転寿司は安くて旨いと評判なので、ぜひいってみよう。
そういえば、唐戸市場には、かつて大学時代、下宿の2件隣にあった居酒屋のおっちゃんと一緒に何度か仕入れに行った。鯨ベーコンってこんなに高いのか、と思い知った。店に帰って、仕入れたものを肴に、昼過ぎまで飲むのがまた楽しみであった。よくよく考えてしまったら、学生がコンビニでつまみを買ってきて、家で飲むのと何が違うのだろう、と訝らずにはいられなくなるので、よい思い出として不問に付すことにしよう。
最近観た映画。
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「スプリームス」に関しては、ダイアナ・ロスがいた、ぐらいの知識しかなかったが、そんなことは全然関係なく楽しめた。歌唱力が圧巻。時代背景を巧みに織り込みながら、歌と人物関係、黒人の文化政治がシンクロする様は壮観*1。成功の夢が具現化するにつれて、 "cross over" を追求しなければならず、そうすると今度は白人聴衆の嗜好に寄り添いすぎて、自分たちのやりたい音楽ができなくなっていく、というジレンマ。そうしたジレンマが、始めは人種間関係として描かれ、やがて人種内部の階級関係、直接的にはメンバー間の不和やすれ違い、メンバーの脱退・加入として表現される。すべての生き方を多様な夢の発現として全肯定しつつ、新しい一歩を踏み出すところでフィナーレを迎えるあたりは、極めてアメリカ=ハリウッド的と突き放すこともできるかもしれないが、それでもあんまりベタベタした感じがないのは、やっぱり登場人物たちのパフォーマンスが素晴らしいからだろうと思う。ジェニファー・ハドソンの二の腕のダイナミズムも見所のひとつ。
後者は・・・。久しぶりにフルスイングの空振りを味わった。「コーエン弟の幻の脚本」という触れ込みだったが、幻だった理由がよくわかった。昼は整体士、夜は骨や内臓をリアルに書き込んだボディスーツを纏ったプロレスラー、というコンセプトは面白いのに、途中事件が起こってからうやむやになる。笑える箇所はそれなりにあるのだが、畳み掛ける感じがまるでない。単発の笑いがぽつぽつとあるだけ。うーん、やっぱり敵役もプロレスラーとして設定したら、焦点が定まったのではないかと、ちょっと思う。