名言・金言

 阿佐田哲也の怪しい交遊録 (集英社文庫)より 

「エレクトした抜き身に良心はない」(内藤陳)


 無芸大食大睡眠 (集英社文庫)より

 大きな笑いは、二度目には同じ量の笑いはとれない。三度目にはもっとすくなくなる。ギャグで笑いをとるからだ。するといつも大きな笑いをとるためには、絶えず新ギャグを造っていかねばならない。これは苦しい。だから大きな笑いを捨てて、中どころの共感笑いというようなあたりを狙う。これが賢明である。長生きしようとしたら、横綱になってはいけない。横綱はすぐに引退させられる。

 トップにはならず少しだけ浮くことを信条とする色川らしい金言。
 

 ギャンブル好きというものは、ギャンブルに関しては、有名人などという存在を少しもありがたっていない。むしろ反撥している。巷の一人一人が、そのギャンブルに関するウンチクは充分に持っており、有名人などより自分の方がよっぽど奥が深いと思っている。また、多くの場合そのとおりであって、有名人随筆はクソの役にも立たない。
 そうしたファン層を圧倒するほどのウンチク、内容を持った読物を書けるのなら、本業をなげうってそのギャンブルに没頭しているにちがいない。それでは本業の方で成すわけにはいかないであろう。気の抜けたビールのような随筆を誰が読むものか。

 ちょっと文脈が変わるが、JRAのCMに競馬が嫌いと公言しているジャニーズのタレントを起用するのはやめれ。

 

 身体のあちこちがたえずおかしくなりだしたのは、柄にもなく書斎にひきこもりがちになってからである。まったく、我々にとって一番の不摂生は仕事をするということだ。煙草よりも、酒よりも、麻薬よりも、仕事は怖ろしい。皆を健康にさせたいのなら、法律で仕事を禁止すればよろしい。

 とはいえ、「恒産なきものは恒心なし」ともいうわけで・・・。