モルボ

バルサとレアル―スペイン・サッカー物語

バルサとレアル―スペイン・サッカー物語

 予習。イベリア半島の人々の情念・因縁・恩讐といった感情を齧りながらぶくぶく太っていく「モルボ」なる生き物について。イタリアとよく似ている。首都マドリードが国土の中央にあるというところに歪さを感じるし、なにより「スペイン人」という呼称がほとんど意味を成さないところなどイタリアとそっくり。太陽の眩しさと反比例する「ここで遭ったが百年目」のような暗い怨念に満ちていて、そりゃシエスタがないと体がもたないだろう、と想像する。都道府県制の下で緩やかな地域主義にくつろぐ私のような日本人にはとても共感できないが、理解は、かろうじて、する。
 初めて覚えたカタルーニャ語はpesetero、金の亡者とあいなった。
 ところでどうでもいいが、レアル・マドリーの創設者が、カタルーニャ出身というのはかなりまずいのではないか。