三重密室

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 孤島の中の孤立した研究所の中の密室、つまり三重密室の中で起きる殺人事件。「計算する独房の理性」による完璧な計画を狂わせたのは、学者探偵の登場という不確定性。フーダニット、ハウダニットの高度さもさることながら、とりわけホワイダニットは誰にも理解できない境地に達している。世界一の天才が考えることは誰にもわからん。それにしても、もうすこし自分に理系の才能があればよかった。瀬名秀明の解説がとてもいい。