2008-11-04 長い家の殺人 松本清張の偉大さに打ちのめされた一日。あの出版点数はなんだ。そもそもあの歪な形をした家はなんなんだ。恐るべし。新装版 長い家の殺人 (講談社文庫)作者: 歌野晶午出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/04/15メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (35件) を見る 歌野のデビュー作。学生ロックバンド内の連続殺人。できはもうひとつ。トリックや伏線の張り方に冴えが無いし、人物の描きわけにも難がある。しかし、本格の文法に則っているし、論証の体裁も整っている。ここから歌野の天賦を演繹し、デビューへと導いた島田荘司の慧眼に感服する。巻末には、解説、ではなく、島田が歌野に対して抱いた第一印象の述懐が収められている。 それにしても、『長い家の殺人』というタイトル、アナグラムだと直感したが、未だ解けず。考えすぎか。