竜王戦、ミステリ交差点、CWC

 渡辺竜王が史上初の3連敗からの4連勝で竜王位防衛、そして永世竜王の資格を得る。ほぼ大勢が決した終盤、それでも粘った羽生名人の意地は凄かった。ふたりとも天上人。
 

ミステリ交差点

ミステリ交差点

 博覧「狂気」のミステリ評論家による書評集。おもしろそうなミステリがいろいろと見つかる。叙述トリック大王の折原一、そういえばまだ読んだことなかった。
 
 クラブワールドカップ、準決勝ガンバ大阪vsマンU。3-5。気を抜いてるとやられるよ、という典型的な試合。気迫に関してはガンバの圧勝という内容。5分ほどマンUのギアがトップ近くまで上がる場面もあったことだし、ガンバらしい負けっぷりなのではないだろうか(ほとんど見たことはないけど)。アディショナルタイムまでゴールを求め続けたガンバの思いの強さは万雷の拍手に値する。マンUの選手たちは試合後、ファーガソンに搾りかすも残らないほどこってり絞られていることだろう。
 気になる点。高さはしょうがないとして、慣れの問題もあるだろうが、球際の強さと厳しさは大きな違い。マンUはバックラインをほとんど上げてこなかったので、中盤に広大なスペースがあった。そのおかげで中盤のガチンコ勝負にはならず、あまり目立たなかったが、ゴールに近い局面では球際の強さの差が如実に出たように思う。テヴェスに簡単に振り向かれてしまうのは問題あり。
 それから、より高いハードルを目指す勇気。例えばバンドが2,3回ほど、ファーを切られて、ファンデルサールの待ち構えているニアへとシュートを「打たされている」場面があった。ニアにそのまま打つのも選択肢の一つだが、腰を回して、ディフェンダーの股間あたりを狙って、ファーへ打ってみるべきではないか、男なら。枠に飛ばない可能性も高いが、トップレベルの世界では、難度の高いトライの方が点になる可能性は断然高い。
 それから、簡単なパスの精度。イージーなショートパスが、特に意図もなく、マイナスに流れて、攻めの流れを切ってしまう場面が多い。プレッシャーをかけられた状況で正確にパスを回す技術はもちろんのこと。ガンバの場合、難易度の高いパスの方がうまくいっている。心がけの問題。ともかくもチーム名のとおり、よくガンバった。
 いずれにしても、この試合に関しては、マンUを褒めることはできない。途中で入ってきたルーニーの不機嫌な表情を見れば一目瞭然。いくつかゴールを決めてポゼッションで圧倒してゲームを殺し可能なら若手を入れてテストする、というゲームプランが水泡に帰したのは明らか。ときどき気を抜いては凡ミスをやらかすファーディナンドもひどいプレイがたびたびあったし、ゴール前のつなぎも雑。普段と違ってプレッシャーが緩いからといって適当にやりすぎ。全体的に運動量が少ない省エネサッカーだったのは過密日程に鑑みてしょうがないとしても。
 決勝で当たるキトは、パチューカ戦を見た限りの印象では、南米のチームらしくサッカーがうまい印象。無駄なことは一切せず、のらりくらりとかわしていく。さて、どうなるでしょう。
 ガンバはUMA図鑑に出てきそうな名前のパチューカと3位決定戦。アルゼンチン人を中心としたパチューカもガンバと同様、かなり攻撃的な好チームなので、いい試合になるはず。