「ホラー」とかけまして「ドッヂボール」とときます

 振り返ってみると、ここのところ不穏当なエントリばっかりだな、と。もう少し常識にかかるエントリを書こう。ミステリもいいけど、たまには思想系の本の感想とか。そうでないと殺人鬼だと思われかねない。とかいいながら、こんな本。

 

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社ノベルス)

狂気な作家のつくり方

狂気な作家のつくり方

 『密室〜』は、5人の推理マニアのうちのひとりが実際に自作のトリックで殺人を犯し、他の4人が推理をする、という趣旨の本格もの。
 現実とゲームの境界が曖昧になる、というあたりが大きなオチになるだろうと踏んでいたのだが、ほぼ予想通り。個別の問題も7割がた当たった。ということは、歌野がフェアな作家だということ。
 『狂気な〜』は、小説家と漫画家の対談。平山の『独白するユニバーサル横メルカトル』(読んだのはだいぶ前だが)があんまりにも凄かったので購入。あれは読んだ後、3日ぐらい何も読めなくなった。
 平山の相手役は寡聞にして知らなかったのだが漫画家らしい。平山に負けず劣らずぶっ飛んでいる。笑いすぎて疲れる。
 吉野は漫画家だから当たり前として、平山の作品には映像の影響が強く出ているなあと思っていたら、ふたりとも凄い数の映画を見ている。私の場合、映画のはずれくじを引く確率が最近ちょっと高いので、その嗅覚わけてもらいたい。漫画では『童夢』とかおもしろそう。
 日本とは、とか、マナーとは、とかいう大きな話になると途端につまらなくなるのはなぜ、と訝りつつ、MVPは、冷蔵庫投げたり、「腕が落ちているから見に行こう」と息子を強引に連れて行く平山の親父さんに贈呈したい。