ろんどんなう

 瀟洒なレンタルアパートで借り暮らし、もう一週間。
 テムズ河両岸をくまなく歩く。3日で50キロ(概算)。バッキンガム、セントジェームズ、ビッグベン、タワーブリッジ、ロンドン・ブリッジ、テートモダン、などなど。市場やスーパーマーケットで買い込む。疲れる。一気に老けこむ。ビールを飲む。元気が出る。
 嫁が歯が痛いと言い出す。歯はもうないと思え、と諭す。2日ぐらいでいつのまにやらなんとかなる。
 だんだん、公共交通機関を使うようになる。
 イーストロンドンでハムvsリヴァプールを見る。ホームアウェーの罵り合いがとてもすさまじく、ユーモアに富んでいて思わず涙する。試合後、ディープなハム専用パブでハムサポオンリー、プライヴェートルームを見せてもらう。移民だらけ。義眼を出して見せてくれた日本刀フリークのウェールズ爺さんとアル中気味のアイリッシュファーマーに囲まれて、カーリングカップ決勝を見る。アーセナルが負けたけど、気分は悪くない。ディープなハムファンたち、アーセナルファック連呼。なるほどだいたい感情の勢力図が見えてきた。
 ナショナルギャラリー、15世紀の中盤あたりで疲れる。空調暑い。ファン・アイクの黒鏡。付属のレストランでイタ飯(?)を食う。レベルかなり高し。
 念願のジョン・ソーンズ、これがいまのところベスト。フリーメイソン図書館・博物館、幾何学的デザインの極北、その情熱には感服。
 近場のパブでチェルシーvsマンUの大一番。ギネスを飲みながら静かに観戦。反応をうかがう限り、サウスバンクはチェルシーファンが多そう。
 嫁、仕事に出発。私はこれからナショナル・ギャラリーに再挑戦。薄着で。