ギリシャ左翼への連帯(責任)表明

原文は→http://greekleftreview.wordpress.com/2012/06/05/statement-by-balibar-brown-butler-spivak-on-greek-left/

ギリシャ左翼への連帯(責任)声明」(試訳)

 
 われわれはここに記して表明する。6月17日の選挙を前に、ギリシャ左翼が体現する理想をわれわれは支持する。彼らは新自由主義の条件下にあって社会的・経済的民主主義を強く求めると旗幟鮮明、声を挙げているからだ。われわれは目下ギリシャ人民にかけられている、人民主権EUへと割譲するよう迫る、あのような形での国際的圧力に抗議する。当のEUはといえば、これまでヨーロッパにあまねく社会的・経済的不平等を再生産してはそれを強化し、また差別的な経済統制や緊縮政策を通じさまざまなかたちでヨーロッパ内部における人種主義を拡大させてきた。
 なればわれわれは特筆しておこう。ギリシャ左翼(シリツァ?と極左連合)は働く権利、教育を受ける権利を明瞭に叫び続けてきた。そしてその間も、彼らは新自由主義の経済政策に抗ってきたのだ。増加の一途を辿る人民のために生の脆さを助長することに、失業を規範(ノルマ)として既成事実化することに、公教育、並びに公共福祉・公共医療を縮小することに、さらに経済的生産の当の条件自体[であるはずのもの]の破壊に、彼らは抗ってきたのだ。われわれは支持する。ギリシャ人民が選挙によって選ばれていない官僚から権力をもぎ取る努力を。さらにわれわれは抗議する。当座の左翼の[一時的]野合は、とても受けつけられない悪意ある思想宣伝だとして、一顧だにすることなく異端視する行為に。
 目下ヨーロッパのメディアを席巻している、曰く、左翼はギリシャをユーロ圏から離脱させようと脅している、などという言いがかりは、左翼が[今のユーロ圏とは]別のヨーロッパのためにもがいているということを見落としている。すなわち、これは人民によって、人民のために統治されるヨーロッパのためだ。仕事のため、生きるというに値する生のために平等な条件をつくりだそうとする、すべてのヨーロッパに住まう人々による、オープンな政治参加に委ねられたヨーロッパのためなのである。

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