最終日

 のんびり過ごした一日。フィレンツェが一望できるミケランジェロ広場に行こうとも思ったが、ちょっと遠いので却下。景色は十分見たし。そこでみやげ物を買い足すことに。
 ドゥオーモ付近の土産物屋をいくつか回る。しかし、ここらへんの店は異常なくらい愛想が悪い。中には何の因果か日本人の店員までいたが、まるでやる気ゼロ。いくつか買ったものの、あまりお勧めできない。
 ひとしきりお土産を買った後、いつもとは違う道を歩いてホテルに向かう途中、フィレンツェ一日目に見た中央市場の出店に遭遇。ふと見ると、その向こうに大きな建物が。ショッピングセンター。ずっと出店が中央市場かと思い込んでいた。あーあ。
 中に入ると、食料品店が所狭しと並ぶ。お土産も安価で品揃え豊富。ここで買えばよかった。鳥が一羽まるごと7ユーロ、うさぎも目玉つきでまるごと売られていた。レタスは70セントぐらいでイチゴが1パック1.6ユーロ。外食すると物価の高さを痛感するが、イタリア人の日常としては日本人とさほど変わらないようだ。まあ所詮は観光スポットですから。肉屋さんでコロッケを試食させていただく。手渡ししようとするおっさんに大口を開けて受け取ろうとすると、呆れられる。コミュニケーションって難しいね。コロッケを2つ買って、ホテルで食べる。1つで腹いっぱいですわ。
 しばらくして、Reonaldに教えてもらった店にランチを食べに出発。ジモティの人たちで溢れかえる。イタリアの庶民の料理が食える、という期待が高まる。小太りの老人と相席。当然英語など通じるわけもないので、身振り手振りで何が旨いのか聞いてみるも、イタリア語の羅列に結局わからずじまい。ハムの盛り合わせとパスタ、嫁はガーリックトーストとミネストローネ。期待に胸を膨らませて料理の到着を待つ。やってきたハムの盛り合わせ。種々雑多なハムが並ぶ。食ってみる。全部、塩。げんなりする。パスタ。喫茶店ナポリタンと同等、もしくはそれ以下。なるほど、これがイタリア料理か。国際標準的なイタリア料理からするとあまりに落差が激しい。挙句の果てに、途中、嫁が店の外のトイレ(用心の為に鍵つきなのです)に出かけている間、「まだ帰ってこないのか」と店員に不審がられる始末。逃げませんって。
 ホテルへ帰る途中、ムゼオ・クリミナーレを発見。ホラー系大好きの私としては、何もこんなところで、という引っ掛かりを飲み込みつつ、嫁を小脇に抱え込み、トライ。1人10ユーロでi pod式の解説付き。なんのことはない。展示物が狭いスペースに並べてあって、各連続殺人鬼のブースを解説の進行に応じて進んでいくだけ。蝋人形や小道具で不気味感を演出しようとしているものの、いかんせん内容が陳腐。本を読んだ方がはるかにまし。チャールズ・マンソンとか切り裂きジャックとか。イタリアの犯罪者出てこんし。こちらの方が詳しいかも→http://pine.zero.ad.jp/~zac81405/files.htm。疲れた。
 駅前のショッピングセンターで最後の買い物。お土産用にキアンティを1本。後ほど残念なことになる。エレベータの中でポーターと一緒になる。両手にベックス(ビール)を握っているので、「飲むのか?」と聞くと笑顔で1本くれた。毎日、チップと共に「グラッツェ」と置き書きしていたのが効いたのかどうか。最後の最後に最上級のホスピタリティに触れた気がした(そんな大袈裟な)。風呂、晩飯、パッキング、夜10時ごろ就寝。