ラグランジュ未定乗数法って何やの?
昼すぎに出発。ガールズトークに参加するために途中下車した嫁を見送り、自宅に帰還。大雪警報が出るなか、嫁も日付が変わる頃、帰宅。結局、降雪はなし。
宝島の『競馬裏事件史』を読んで、3億円超の高額馬が全く走らなかった話に共感。そのコントローラーを投げたくなる気持ちよくわかるわあ。あ、ダビスタじゃあないのか。
そのほかでは、こんな感じの本を。
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2008/02/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 鈴木晶
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2002/06/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 渡辺明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 新書
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なんでも81手目の局面で思考していたら、突然85手目ぐらいの局面のヴィジョンが頭に浮かぶのだとか。私のような素人は一手一手駒が動いて先の局面を読むけど、プロはそういうプロセスを経る前にまずヴィジョンがやってきて、あとから現在の局面とヴィジョンの間を思考で埋めるということか。もちろん、頻繁に起こるのではなく、集中の果てに稀に体験できることのようだが。おもしろかった。
ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)
- 作者: 保木邦仁,渡辺明
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/08
- メディア: 新書
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驚いたのは、チェスは10の60乗、将棋は10の220乗ほど、囲碁は10の360乗の手の広がりがあるというところ。将棋の全ての手を読みつくすには、スーパーコンピューターでも宇宙の歴史ほどの時間が必要で、つまり不可能だということ。人間よりコンピューターの方がはるかに強いチェスはおろかオセロですら、まだ「神の手」とでもいうべき最終的な解は得られていないという。なので、今後は人間の世界と同じように、to doリストをどこまでも広げるのではなく、ゲーム理論などを適宜活用してどれだけ考えないで済ますことができるか、という方向の研究が進むだろう、と思われる。もっとも、チェスが人間の思考力を短期間のうちに超えることができたのは資金力によるところが大きいわけで、将棋にそれだけの投資をするスポンサーが現われるかどうか。
内容はおもしろいのだけど、共著者のひとりボナンザの開発者の話は、ときどき新書の域をはるかにはみ出し、暴走する。 たとえば、
熟練した人間の棋譜との指し手一致の度合いを測る目的係数を設計し、これに停留値を与える静的評価関数の特徴ベクトルを求める。そしてこの特徴ベクトルがゼロとなる自明な解を除去し、棋譜サンプル数の不足に起因するオーバーフィッティングを回避するために、ラグランジュ未定乗数法というものを用いて、目的関数に拘束条件を課した。
もう少し喩えたりする努力が欲しい。専門的な言葉を濫用して説明するのはある程度専門に従事している人だったら誰でもできるだろうけど、それをやると相手を極端に限定することにつながる。やっぱり読者を想定しないと。新書でこれはきついものがある。