サッカーとイタリア人

 スペインの発泡ワインを空けた後に、ジェイムソンを呑みながらクリスティ原作のEndless Night を見始めたら、案の定寝る。そのまま炬燵で朝を迎える。

サッカーとイタリア人 (光文社新書)

サッカーとイタリア人 (光文社新書)

 現地在住のジャーナリストによる、対自的郷土愛・愛国心、対他的ライバル意識が複雑に絡み合うイタリアサッカー界のカンパニリズモについて各地方ごとに紹介した新書。スペインサッカー界の「モルボ」について紹介したあの本とよく似ている。ただスペインと決定的に違うのは、代表への思い入れの強さ、そして郷土のチームとは別に、ミランインテル・ユーベ三強のいずれかを同時に応援できるその二枚舌か。おそらくは、イタリア人のイデオロギーは三つに大別できるのだろう。英国渡来のサッカーが最初に錨を下ろした土地が、ことごとく港町だというのにも蒙を啓かれた。そしてマラドーナは偉大なり。