本田優の男前度

 エリザベス女王杯で1位入選のカワカミプリンセスが進路妨害で12着に降着。パトロールビデオを見たが、あれはしょうがない。4角入り口で外から前をふさがれた影響か、急激に内に切れ込み、2頭の前を完全にカットしている。しかし、上位に来た馬には完全に力で勝っているわけだから、馬自体は強い。それよりもなによりも、鞍上・本田優がすべての責任が自分にあると言い切っているあたりが凄い。信頼関係が命のこの世界、騎手が自分の失敗を認めると、馬主や調教師の信頼を損ない、当該馬の乗り替わりはもちろんのこと、騎乗依頼馬が激減することにもなりかねない。だから、騎手は概ね自分の過失であっても、馬のせいにしてしまうことがままある。武豊しかり。*1そうした厳しい世界だからこそ、本田の潔さは極めて特異に映る。G1の上位人気馬に騎乗する一騎手のファンに対する説明責任がそうさせたのだろうか。カワカミプリンセスに本田がこれからも乗り続けることを祈りつつも、本田の騎手らしからぬファン思いの潔さに敬意を表する。*2

*1:だから武豊は凄いジョッキーなのだろうが、あんまり好きではない。

*2:同様の理由で私は福永祐一も好きである。大ポカをやるけども。