2012-02-17から1日間の記事一覧

 霊感、自然、秩序

既知の世界のあらゆる地域を通じて現今用いられている、一巻の書物を書きはじめる際の数多くの方法の中で、私は私自身のやり方こそ最上なのだと確信しています――同時に最も宗教的なやり方であることも、疑いをいれません――私はまず最初の一文を書きます――そ…

 騾馬の顔

ところでこの騾馬という奴は、私には(たとえどんなにいそいでおろうとも)到底たたく気持ちになれない動物なのです――騾馬という奴はその顔つきにも物ごしにも、辛抱強く苦しみにたえておりますという文字が、いささかのてらいもなくありありと書いてあって…

 速さの哲学

しかし私はこれこそこの世の中で、快速に旅をする最上の方策だと信じます。苦虫をかみつぶした気持ちでいれば、何ものもあまりこちらに好意を持つようには映りません。――つまり引きとめるものがほとんどあるいは全然ないのです。(『トリストラム・シャンデ…

 歪笑小説

歪笑小説 (集英社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/01/20メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 59回この商品を含むブログ (80件) を見る 東野圭吾の小説で唯一追いかけているシリーズ。怪笑、毒笑、黒笑、そして歪笑。 当初はブラック…